素直に面白いです
陰陽師という映画がヒットしたおかげで、急に安倍晴明という人物がクローズアップされましたが、本書は彼の生き様を丹念に追っています。
彼は今で言う超能力者なわけですが、そんな能力を、「式神」を使う事でやっていた事。その式神を使えるようになるのに、浦島太郎体験は必要だったのでしょう。
映画を見ても、「どうせフィクションでしょ」って簡単に思っちゃいますが、本で読むと、リアリティの次元が全く違って感じるところが面白いですね。
一冊で二度楽しめる本
安倍晴明に関する公的な記録はほとんど残されていない。それ故、現代まで語り伝えられているものは晴明の超人的な伝説が主なものとなっている。その伝説の中で最も遅く成立したと考えられるのが「安倍仲麻呂生死流傳輪廻物語」である。本書はこれがベースとなっており、必要に応じて他の物語や説話が織り混ぜられているが不自然さは感じない仕上がりとなっている。本書は主に二部で構成されている。第一部は先に紹介した「物語」である。詳しい注釈は巻末に付けられているため、物語の進行に集中して読むことができる。「物語」自体はなかなか面白い。 第二部はこの「物語」のバックボーンにある事柄に関する解説となっている。写真や図が多用されており説明もそれなりに詳しい。 この他に付録として「ほき内伝金烏玉兎集」という陰陽道の秘伝書の一部の口語訳が掲載されている。この試みは類書には見られないオリジナリティのあるものである。個人的には評価したい。 本書は私が購入した初めての晴明本である。「物語」で知らないうちに晴明の世界へ引き込まれ、解説で理解が深まる、といった一冊で二度楽しめる本であり必読の価値がある。
学習研究社
陰陽師 安倍晴明 (角川ソフィア文庫) 陰陽師―安倍晴明と蘆屋道満 (中公新書) 陰陽師・徹底解剖―陰陽夜話・安倍晴明の世界 (朝日文庫) 安倍晴明占術大全―『〓〓内伝金烏玉兎集』現代語訳総解説 (Esoterica selection) 陰陽道の本―日本史の闇を貫く秘儀・占術の系譜 (NEW SIGHT MOOK Books Esoterica 6)
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